横尾香央留 / Kaoru Yokoo


近年、手芸とアートの距離はぐっと接近し、ハンドステッチやニッティングによって生み出される作品は世界のアートシーンでますます重要視されるようになりました。それはテクノロジーが進化する現代社会でハンドメイドの親しみやすさやヒューマニズムが原点回帰として信頼され強く歓迎されていることを意味しているでしょう。そして手仕事の未来は過去と現在を積み重ね、テクノロジーと表裏一体、面白く進化を続けています。
針や糸など手芸的な要素を用いて、多岐にわたり独自のスタンスで活動をしている横尾香央留。彼女の作品は物事に備わる関係性に対して、手芸を通したウィットに富む発想で視点の変化を表現しているのが特徴です。
編む・縫うという手法で紡がれる繊細な造形は、過度に大げさな重たさはなく、可愛らしさやコミカルな魅力に溢れながら、リレーションの実験性も感じさせ私たちの心のあり方を柔らかく揺さぶり、今を見つめ直すきっかけを与えてくれます。とりわけ初期から取り組む「お直し」の行為は、彼女らしさを象徴する稀有な活動です。インタラクション性と高い技術、優しい作風が結実したユニークな「お直し」は多くの人の概念を刷新し、心を浮き立たせ、再生の幸福な新しいスタイルを確立しました。





少女時代から大切に保管してきた、友人たちから贈られた「シール」に自由な着想を重ねて制作された作品。繊細な刺繍によって新たなストーリーが織り込まれたたくさんのシールは、ギャラリー空間の片隅にある小さなほら穴のような場所に、ひっそりこっそりと展開され、観る者の子ども心を鮮やかに呼び覚ましました。/ Photo Takashi Homma
主な活動
◎美術展:
「拡張するファッション」(2014/水戸芸術館、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)参加
◎著書:
『プレゼント』(雄鶏社)、『お直し とか』(マガジンハウス)、『お直し とか カルストゥラ』(青幻舎)
◎個展:
「お直しとか」(2011/ FOIL gallery)
「変体」(2012/ The Cave)
「カコヲカコウ」(2017/ LA GALERIE DES NAKAMURA)
「migraine aura」(2022/ Gallery A)
「the new world」(2023/ Gallery A)
「夢 意 識 - half asleep 」(2025/ 巡回展 elävä Ⅱ、 galleria nolla、 koota matka)
「編繍 henshu」(2023/ Gallery A)
