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横尾香央留 / Kaoru Yokoo

Photo Takashi Homma

近年、手芸とアートの距離はぐっと接近し、ハンドステッチやニッティングによって生み出される作品は世界のアートシーンでますます重要視されるようになりました。それはテクノロジーが進化する現代社会でハンドメイドの親しみやすさやヒューマニズムが原点回帰として信頼され強く歓迎されていることを意味しているでしょう。そして手仕事の未来は過去と現在を積み重ね、テクノロジーと表裏一体、面白く進化を続けています。

針や糸など手芸的な要素を用いて、多岐にわたり独自のスタンスで活動をしている横尾香央留。彼女の作品は物事に備わる関係性に対して、手芸を通したウィットに富む発想で視点の変化を表現しているのが特徴です。

編む・縫うという手法で紡がれる繊細な造形は、過度に大げさな重たさはなく、可愛らしさやコミカルな魅力に溢れながら、リレーションの実験性も感じさせ私たちの心のあり方を柔らかく揺さぶり、今を見つめ直すきっかけを与えてくれます。とりわけ初期から取り組む「お直し」の行為は、彼女らしさを象徴する稀有な活動です。インタラクション性と高い技術、優しい作風が結実したユニークな「お直し」は多くの人の概念を刷新し、心を浮き立たせ、再生の幸福な新しいスタイルを確立しました。​

2021年春に行ったGallery Aのプレオープン展では、少女時代からこれまで大切に保管していた、友人たちからプレゼントされた「シール」へ自由な着想を重ねた作品を制作しました。繊細な刺繍によるアートワークによって新しいストーリーが織り込まれた沢山のシールは、ギャラリー空間に存在する小さなほら穴へひっそりこっそり展開され、観る者の子ども心を鮮明に呼び覚ましました。

主な活動:

◎「拡張するファッション」(2014/水戸芸術館、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)参加

◎ 著書『プレゼント』(雄鶏社)、『お直し とか』(マガジンハウス)、『お直し とか カルストゥラ』(青幻舎)

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