山口智子 / Tomoko Yamaguchi

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女性像を通して、日々のささやかな出来事の曖昧でもどかしい思いを瑞々しい感覚で表現している山口智子。 チャーミングなヒューマニティに基づいた彼女のまなざしは、あたりまえすぎて見過ごされてしまう現実の中から実はとても美しくたいせつであるものを慎重に掬い上げます。心の中のイメージはきらめきや生の匂いを持って画面に表現され、そこには奇抜さと愛らしさに満ちた世界と地に足のついたリアルな日常が乱反射した叙情的でユニークな物語が滲みでます。山口の女性像は、繊細な筆致による淡い肌色のまばゆさ、頬や唇に灯るピンクのニュアンス、黒髪のモノトーンが放つ鮮やかなコントラスト、それらが融和して生み出された透明感がきわめて印象的です。描かれた女の子は内なるオーラを発散し、その存在感は一瞬で心に残る普遍的な魅力を持ちます。 いつまでもじっと見つめていたくなる佇まいや強い瞳は、可愛らしいけれど意味深、時にユーモラスに切なく、 観る者の今の気分とシンクロし、自由なポエジーでこっそりパーソナルに語りかけてくるようです。 山口智子の生き方から描かれるメッセージは、どんな時も自分らしくカラフルに今を生きることについて、あらためて意識したい感覚に気づかせてくれるでしょう。